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前進座「裏長屋騒動記」で心底笑ってみませんか?

2017年5月5日

seisaku日本共産党後援会は5月14日(日)午後4時から貸し切りで楽しみます。特別料金です。ご希望の方はお申し込みをお願いします。

前進座公演「裏長屋騒動記」 山田洋二監督が落語の「らくだ」「井戸の茶碗」二題を材料に練り上げた喜劇。ご存知とは思いますが、念のためにあらすじをウィキペディアから引用してご紹介いたします。いずれも屑屋さんが絡んでいるお話です。

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「僕は高校時代、山口県の田舎にいました。戦後のあの時代は山口県にも前進座の巡回公演があって、シエークスビアの『ベニスの商人』をやるんだ、うわー、観たいなー”と思ったけど、観られなかった。前進座は当時すごい人気があって、切符が手に入らなかったんです。その後、前進座が独立プロダクションとして映画『箱根風雲録』(監督・山本薩夫)を製作した時、僕は大学の映画サークルにいて、この映画を支援するために各大学の映画サークルを動員して大勢でエキストラにかけつけたものです。

僕は、本当に笑える楽しい喜劇を前進座が創造してくれるといいなあと思います。今、日本人は笑いたいんだけど、気持ちよく笑わせることほど難しいことはない。それは、笑わせる方が、観客と同じような生きる辛さを共有していないといけないからです。そして、前進座にはその資格があると思うんです。」

2011年4月放送 NHK教育テレビ「芸能百花繚乱~前進座八十年の軌跡~」インタビューより

今回初めて、前進座と緒に舞台を創ることになりました。落語の「らくだ」と「井戸の茶碗」をもとに、ある裏長屋で起こる騒動のお話です。五年前にお話しさせていただいたことが、このような形で実現でき、長年の前進座との想い出に新しいへージが追加されることに、わくわくしています。どうぞ、ご見物の時には、舞台の俳優さんと同じ空間で、笑いや喜びを共有して、にぎやかに大声で笑いながらお楽しみください。

(山田洋次) 前進座ホームページより。

【 らくだ 】 とある長屋に住むのが本名を「馬〔卯之助〕」、あだ名を「ラクダ」という男。そのラクダの長屋に、ある日兄貴分の「丁目の半次〔弥猛(ヤタケタ)の熊五郎、または脳天の熊五郎〕」がやってきた。返事がないので入ってみると、何とラクダが死んでいる。そういえば、昨夜会ったときにフグを持っていたが、さてはそいつに中(あた)ったのか……。

「兄弟分の葬儀を出してやりたい」、そう思った半次だが金がない。考え込んでいると、上手い具合に屑屋がやってきた。早速、その屑屋の久六〔固有名はなく単に「紙屑屋」とされている〕を呼んで室内の物を引き取ってもらおうとするが、久六はラクダ宅の家財道具の状態を全て言い当てて断ってしまう。なんでも、何回もガラクタばかりを引き取らされたらしい。ますます困る半次。と、その頭にあるアイディアが。

「月番を呼んでこい」

久六を月番の所に行かせ、長屋から香典を集めてくるよう言いつけさせるのが半次の魂胆。久六は断るが、仕事道具を取られ、しぶしぶ月番の所へ。「らくだが死んだ」と聞き、喜ぶ月番。香典の申し出には「一度も祝儀を出してもらったことはない」と断るが、結局「赤飯を炊く代わりに香典を出すよう言って集めてくる」と了承した。安心した久六だが、ラクダ宅に戻ると今度は大家の所に通夜に出す酒と料理を届けさせるよう命令された。ところが、ここの大家は有名なドケチ。そのことを話すと、半次は「断ったらこう言えばいい」と秘策を授ける。

「死骸のやり場に困っております。ここへ背負ってきますから、どうか面倒を見てやってください。ついでに『かんかんのう』を踊らせてご覧にいれます」

仕方なく大家の所へ行った久六。らくだが死んだと聞き、大喜びする大家。しかし、酒と料理の申し出は拒絶。なんとこのらくだという男、店賃を何年も溜(た)めているどころか引っ越してきてから一度も店賃を納めていなかったのだ。すかさず久六が「かんかんのう」の話をすると「やれるものならやってみろ!!」。久六がそのことを伝えると、何と半次は久六にラクダの死骸を担がせ、本当に大家の所へ乗り込んでしまった。そして、死骸を文楽人形のように動かし、久六に歌わせて「かんかんのう、きゅうれんすー」。本当にやると思っていなかった大家、縮み上がってしまい、料理を出すよう約束した。

これで解放されたと思った久六。だが、今度は八百屋の所へ「棺桶代わりに使うから、漬物樽を借りてこい」と命令された。しぶしぶ行くとやはり八百屋は喜び、申し入れは断られた。「かんかんのう」の話をすると先ほど同様「やってみろ」と言われるが、つい今しがた大家の所で実演してきたばかりだと言うと「何個でもいいから持っていけー!」。

これで葬式の準備が整った。久六がラクダ宅に戻ると、大家の所から酒と料理が届いている。半次に勧められ、しぶしぶ酒を飲んだ久六。ところが、この久六という男、普段は大人しいが実はものすごい酒乱だったのだ。呑んでいるうちに久六の性格が豹変(ひょうへん)、もう仕事に行ったらと言う半次に暴言を吐き始める。これで立場は逆転、酒が無くなったと半次が言うと、「酒屋へ行ってもらってこい! 断ったらかんかんのうを踊らせてやると言え!!」

何だか分からなくなった半次は言われたとおりに酒を買ってくる。そうこうしているうちに、話はラクダの葬礼へ。剃刀を借りてきて坊主にし、漬物樽に放り込んで荒縄で十文字。天秤棒を差し込んで二人で担ぎ、久六の知人がいる落合千日前〕の火葬場に運び込んだ。

が、道中で樽の底が抜けてしまい、焼き場についたら中は空。仕方なく死骸を探しに戻ると、橋のたもとで願人坊主(にわか坊主)がいびきをかいて眠っている。酔った二人はそれを死骸と勘違いし、樽に押し込んで焼き場に連行するとそのまま火の中へ放り込んでしまった。

熱さで願人坊主が目を覚ます。

「ここは何処だ!?」

「焼き場だ、日本一の火屋(ひや)だ」

「うへー、冷酒(ひや)でもいいから、もう一杯頂戴……」

【 井戸の茶碗 】屑屋で正直者の清兵衛が、清正公様の脇を「屑ぃ、お払い」と流し歩いていると、なりは粗末なものの器量のよい上品な娘に声をかけられる。招かれて裏長屋へ行くと、その父親(千代田卜斎)から、屑の他に仏像を200で引き取ってもらいたいと頼まれる。目利きに自信がないと清兵衛は断るが、「昼は素読の指南、夜は売卜をするも、長雨続きで商売ができず、加え病気の薬代として金がいるため、引き取ってもらいたい」と切願される。清兵衛は200文で引き取り、それ以上で売れた場合は、儲けの半分を持ってくると約束する。

仏像を籠に入れ、街を流し歩いていると、目黒白金の細川屋敷の長屋下を通りかかったところで、「おい屑屋」と若い勤番(高木佐久左衛門)に声をかけられる。「カラカラと音がするから、腹籠(ごも)りの仏像だ。縁起が良い」と言い、その仏像を300文で買い上げる。

高木が仏像を一生懸命磨いていると、台座の下の紙が破れ、中から50もの小判が出てくる。中間は運がよいと喜ぶが、高木は「仏像は買ったが、中の50両まで買った覚えはない。仏像を売るくらいであるから暮らし向きも逼迫しておられよう。元の持ち主に返したい。」と言う。しかし元の持ち主が分からない。そのため、この仏像を売った屑屋を探すために、翌日から長屋下を通る屑屋に声をかけ、顔を改めていく。

屑屋達の間で、高木の顔改めが話題となる。「父親の敵捜し」とまで噂が飛び交う。そこへ清兵衛が現れて、仏像を売ったことを話す。すると、「仏像を磨いていたら首が折れてしまった。縁起でもない、これを身共に売った屑屋も同じ目に遭わせてやる。」と、おまえを捜して居るのじゃないかと脅されてしまう。

清兵衛は、細川屋敷の長屋下は静かに通ろうと気をつけるが、商売癖でつい「屑ぃ〜」と声を出して捕まってしまう。首を切られるかと怯えた清兵衛だったが、高木から事の真相を聞き、千代田の元へ50両を持っていく。

千代田は50両を前にして、「仏像を売ってしまったのだから、中から何が出てきても、私のものではない」と受け取らない。清兵衛は、「この50両があれば、お嬢様にもっとよい着物を着させることもできる」と言うが、刀に代えても受け取らないと突っ返されてしまう。

清兵衛は高木へ50両を持って帰るが、こちらでも受け取るわけにはいかないと突っ返され、困り果ててしまう。裏長屋の家主が仲介役に入り、「千代田様へ20両、高木様へ20両、苦労した清兵衛へ10両でどうだろう」と提案する。しかし、千代田はこれを断り受け取らない。「20両の形に何か高木様へ渡したらどうだろうか」という提案を受け、毎日使っていた汚い茶碗を形として、20両を受け取る。

この美談が細川家で話題になり、高木が細川様へ目通りを許され、茶碗も見てみたいと言われる。汚いままでは良くないと、茶碗を一生懸命磨き、細川様へ差し出した。すると、側に仕えていた目利きが「青井戸の茶碗」という逸品だと鑑定する。細川様はその茶碗を300両で買い上げた。

高木は300両を前にして、もらうべき金ではないと困ってしまう。「このまま千代田様へ返しても絶対に受け取らないであろうから、半分の150両を届けて欲しい」と清兵衛に頼む。しかし清兵衛は「50両で斬られかかったのだから、150両も持っていったら大砲で撃たれてしまう」と断る。しかし高木に切願され、しぶしぶ千代田に150両を持っていく。千代田はまたも受け取るわけにはいかないと断るが、困り果てた清兵衛を見て、「今までのいきさつで高木様がどのような方かはよく分かっておる。娘は貧しくとも女一通りの事は仕込んである。この娘を嫁にめとって下さるのであれば、支度金として受け取る」と言う。

清兵衛は高木の元へ帰り経緯を伝えると、千代田氏の娘であればまずまちがいはないだろうと、嫁にもらうことを決める。そこで清兵衛が、「今は裏長屋で粗末ななりをしているが、こちらへ連れてきて一生懸命磨けば、見違えるようにおなりですよ」

「いや、磨くのはよそう、また小判が出るといけない」

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